研究開発型スタートアップ × 投資家・事業会社が集結 ─ 「Deep Sync by STORIUM」開催報告

イベントレポート

研究開発型スタートアップ × 投資家・事業会社が集結 ─ 「Deep Sync by STORIUM」開催報告

「知の共創と未来への道程」をテーマに、9月18日・19日の2日間にわたり東京ミッドタウン八重洲で開催された 「esse-sense Future Forum 2025」。 170名の登壇者、1,000名の参加者が集い、研究・技術・産業・資金の垣根を越えた多層的な議論と出会いが生まれました。

本記事では、本フォーラム内のインナープログラムとしてSTORIUMが企画・プロデュースした、研究開発型スタートアップ × 投資家・事業会社による1on1面談プログラム『Deep Sync by STORIUM』をレポートします。

本プログラムは、科学技術の社会実装を加速させる出会いの最適化を目的に、大学発・研究発スタートアップと、CVC・VC・事業会社など資金および事業リソースを有する組織との間で、個別対話を通じた共創・投資・共同研究の機会創出を目指すものです。STORIUMが保有する全国800社超のスタートアップデータベースと独自のマッチング設計をもとに選定されたAI、バイオ、クリーンテック、量子、マテリアル、医療など多様な分野の精鋭スタートアップが、最先端技術の社会実装を志向する事業会社や投資家と1on1面談を実施。将来的な資金調達や事業連携に向けた具体的な協議が活発に行われ、会場全体が大きな熱量に包まれました。

投資家・事業会社18社とスタートアップ22社による全80面談を実施

本プログラムには、事前選考を通過した研究開発型スタートアップ22社(27名)および、STORIUMが招聘した投資家・事業会社18社(28名)が参加。25分間の個別1on1面談を全80件実施し、具体的な協業・投資に向けた実践的な対話が展開されました。

※ 参加スタートアップの一覧はこちら

効果的な面談を実現する準備プロセス

STORIUMが実施するマッチングプログラムでは、限られた時間でも本質的な議論ができるよう、面談の質を高める事前準備を重視しています。

■ スタートアップへの事前メンタリングを実施
選考を通過した企業の皆さんには、STORIUMチームによる事前メンタリングを複数回実施。ピッチ資料の改善や事業方針の整理により、面談での議論をより充実させる準備を行いました。

■ 投資家・事業会社への事前情報共有を徹底
投資家および事業会社の参加者には、面談の約1週間前より、全スタートアップのピッチ資料に加え、STORIUMプラットフォームを活用した事業情報の整理・編集内容を事前共有。初回から本質的な議論に臨める環境を整備しました。

■ 相性を重視したマッチング設計を実現
事前準備で得られた情報をもとに、各スタートアップと投資家・事業会社の投資方針や事業領域の親和性を分析。両者の強みが最大限に活かされるよう、確度の高い出会いを実現する1on1マッチング設計を行いました。

参加者の声

プログラム終了後には、参加者の皆さんに手応えや感想を伺うアンケートを実施。皆さんから、好意的な評価が寄せられています。ここでいくつか、いただいた感想をご紹介したいと思います。

■ 株式会社AOZORA 代表取締役 舩越 亮さん

宇宙分野は特殊なハードウェアを核とすることが多く、事業化までの長期性や人材・資金不足など高いハードルがあります。そのため、しっかりとした資本政策に基づく資金調達が不可欠ですが、業界特性上ネットワークが限られるのも実情です。今回のDeep Syncでは、VCやCVCに加えて事業会社とも面談でき、スタートアップのフェーズに応じた初期の資金調達から中長期の事業シナジーまで、広い視点で議論できたことが非常に有益でした。宇宙は社会的な重要性が一層高まっている領域であり、このような仕組みが広がることを強く期待します。

■ 株式会社NERON CEO 長﨑 恭久さん

この度参加させていただく機会をいただきありがとうございました!STORIUM社主催のマッチングイベント『Deep Sync』は、プラットフォーム上の公開情報を事前に読み込んだうえで面談に臨む設計です。前提確認に時間を割かず、冒頭から本質的な議論に集中でき、今後の継続的な対話にもつながりました。お話しする中で各社の強みや課題を相互に把握できたため、次回以降のアクションまで話を進められました。今後は候補パートナーの皆さまと連携案を精緻化してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

■ 株式会社ミーバイオ 代表取締役 早水 建祥さん

私たちミーバイオは、東京大学発バイオスタートアップです。光スイッチタンパク質でバイオものづくり産業に革新を起こし、カーボンニュートラル社会の実現を果たすことを使命としています。今回、協業先や出資先の探索の観点で、このプログラムに申込みをしました。これまでもSTORIUMの皆さんには、私たちの事業の内容やニーズをしっかりと把握いただき、さまざまな事業サポートをいただいてきました。本プログラムにおいても、私たちにとって最適な候補先の方をマッチングいただき、適切な時間配分とスケジュールで、ご縁をいただけました。今後、このご縁をいただいた企業様、VC様とは、しっかりと話を続けて、事業につなげていきたいと考えています。ありがとうございました。

このほかにも、「自社ではリーチしにくい事業会社との接点を持つことができ、貴重な機会となった」 「事前に相手を把握するスキームの有効性を実感」 といった声も寄せられており、事前準備や当日の運営についても好意的な評価をいただきました。

▼参加者アンケートの集計サマリ(n=42)

一方で、参加者の皆さんからは「参加者同士でのネットワーキング時間をさらに充実させてほしい」や、「面談時の入れ替え時間がタイトで体力的な負担を感じた」など、改善に向けた貴重なご意見もいただきました。いただいた声は一つひとつ丁寧に振り返り、次回以降の運営に具体的な改善策として反映してまいります。

STORIUMの次なる展開に向けて

今回の『Deep Sync』を通じて、私たちは「出会いのデザイン」がいかに社会的価値の創出に直結するかを再確認しました。

ピッチやマッチングの枠を越え、叡智・資金・事業アセット・そして熱量あるチームが有機的に結びつく“最適化の原理”を探り続けること。それこそが、科学技術の社会実装を加速させるためのSTORIUMの使命だと感じています。

STORIUMは、今回の経験を糧にさらなるデジタル化とマッチング精度の向上を図り、次回以降も多様な挑戦者とともに、社会実装の加速に向けた共創の場を提供してまいります。

資金調達や協業・共創を加速させる
イノベーション・プラットフォーム

STORIUMは、スタートアップ、投資家、事業会社、自治体、アカデミアなど、イノベーションを担う多様なステークホルダー間に存在する情報の非対称性を解消し、価値ある出会いを創出することで、資金調達や事業共創を加速させるイノベーション・プラットフォームです